群馬大学  教育学部   美術教育講座




長期研修院とは

 長期研修院とは、群馬大学教育学部の資源(教員、施設・設備等)を活用し、現職教員等が質の高い実践的指導力を養うために設置された、自主的で自由度の高いプログラムを持つ研修制度です。長期研修院美術教育は、造形図工美術教育を担当している幼保小中高及び特別支援学校の現職教員や社会教育施設等の教育普及員等が、授業やワークショップ等を通して追究できる研究課題を、群馬大学教育学部美術教育講座の教員と協同して解決する、オーダーメイド型の研修の場です。

 「教育は基本的には自己教育」(R.シュタイナー)です。最近の教員研修は国や地方自治体等の公的機関の制度によって、以前よりも充実しているとはいえ、そこには受動的な研修という側面があることは否めません。日本の教員養成プログラムは事前教育(大学)・採用・事後教育(教員研修)の3段階に分かれ、最も長い事後教育にあたる教員研修に大学はあまり深く関わってきませんでした。しかし、教員免許状の更新制度も含めて、事後教育への積極的な参加は緊要に求められる課題です。
 また、知識が急速に陳腐化する「知識基盤社会」において、アート活動も例外ではありません。アートは作品(モノ)からアイデアや制作プロセスを含む出来事(コト)に変容し、参加体験型のワークショップアートや長期に渡って展開されるプロジェクト型アートも盛んになっています。同様に、デザインもWEBをはじめとして、情報そのものを対象に活動が展開されるなど、既存の(広義の)アート領域は拡張を続けています。特にICT系の新しいディバイスやさまざまなメディア(材料/素材)の進化はめざましく、アートの拡張を促進していることもあります。これらリアルアートがすぐに学校カリキュラムに持ち込まれるということではありませんが、図工美術教師が新技術/知識を試し、自己の教育に取り込む研修の場の設置が強く求められていることは確かです。
 この長期研修院の最大のメリットは、図工・美術教師等が現場で「困っていること」「伸ばしたいこと」を抽出し、自分の興味関心に基づいて、研修の場で解決やスキルアップを図っていく能動的な研修制度だということです。長期研修院参加者は自己の課題をみつけ、専門領域(アート)と教育を有機的に結び付け、より具体的に学校カリキュラムや題材開発に結びけることのできる能力を研鑽します。このプログラムにおける美術教育講座の教員は支援者ですが、教員養成という場では研修参加者との関係は指導する/される関係を超えた協同的な学習者になります。私たちも現職教員等とのコラボレーションによって、自分たちの教員養成にリアリティを取り戻し、在学生たちに還元できるというよい循環が生まれるチャンスをつくることになるのです。
 学校や社会は今たいへん厳しく、場合によっては(広義の)教師を押しつぶしてしまいかねない状況をつくりだしてしまっています。そういう多忙な現場であっても、いっとき真剣に学問・芸術に向き合い、本音で教育について議論し、考えられる場を持つことは現代の教師には不可欠であると思っています。みんなで明日をつくりたいと思っている創造的で想像的な教師等の参加を期待しています。

 
  

 

群馬大学長期研修院 美術教育
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